別織り

こんにちは、遊絲舎です。

本年もどうぞ宜しくお願いいたします。

 

一年ほど前の話。

某デパートに、母娘のお客様がご来店。

着物を着る予定があり、帯を探しているとのこと。

うちの帯をすごく気に入ってくださいました。

体が大きいので長くしてほしいとおっしゃり、別織りで長く織れますと提案。

が、お母さんそこから悩む、悩む。

娘さんも賛成なのだが…

そこで、一ヶ月後にその近くの別のデパートに出展するので、その時まで考えといて下さいと提案。

 

一ヶ月後、母娘さんで再来店。

着装日まで三ヶ月、別織りのリミットはもうギリギリ。

が、お母さんまた悩む、悩む。

呆れるお嬢さん…

そして催事の期間中考えますとお帰りになりましたが、再度のご来店はありませんでした。

 

そして一年後の今日さきほど、お母さんと再会。その後談を伺いました。

催事が終わったあと、やはりうちの帯をと思い、遊絲舎の出展先を探してくださったそうですが、近くには出展しておらず、やむなく他でお求めになったそうです。

そして結果、高い買い物になってしまった、と…

 

ご縁が結べなかったことは私も残念でしたし、そんなお客様のお気持ちを知ってなんとも切なくなった、寒い冬の午後。

 

人もモノも、一期一会。

やっぱり出会った瞬間、その時の感情も大切だなあと実感しました。

 

シャットル